設立の想い

Philosophy

専務理事 山田 登喜子

専務理事 山田 登喜子

夢をかたちに! 20年の歩み

誰もが自分らしく
生き・生ききる日々とは?
Help me do it myself

1991年、「寝たきり老人のいない国」デンマークへ、夫婦で視察研修参加の機会を得た。生活障害があろうとなかろうと、自身で日々の生活のあり様を決め・人生の最終章の生き方を選択できる国での学びだった。町役場で福祉課の仕事をしていた私にとって、福祉サービスの3原則①個の尊厳の確保②現存能力の活用③生活の継続保障の理念とは??の連続であった。また、デンマークの方に日本の老人ホームや精神病院はアムネスティ(世界人権擁護団体)に訴えたい!と言われた事はショックだった。
当時農家の嫁であった私にとって“自分らしく生きる”事はハードルの高い障壁であった。「嫁・妻・母の役割を超えた自分らしい生き方は?」「自分で選び決めた事に責任を取るとは?」と、日々の生活の中で意識して暮らすようになった。世間体の中で悩み奔走し、自分の内面「自律心」と向き合った10年は貴重である。
国はゴールドプランの推移を見定め利用者が選択する高齢者福祉サービスをと、2000年に介護保険制度を施行した。“選択できる福祉サービス”の実践は、措置制度の基で高齢者福祉に携わっていた私にとって夢のようなことであった。1999年NPO法人ゆうらいふを設立し、福祉サービスの3原則を柱に理念の具現化を目指した。
“誰もが、自分らしい人生を自分なりに❣”守山の地で夢を大きく持ち船出した。

夢をかたちに!資本金0からの出発

福祉サービスの三原則を柱に“住み慣れた地域で最期の時まで暮らせるまちづくり”の一端を目指して一歩を踏み出した。
介護保険法が施行され介護報酬にケアマネジメント料が明示されたのは励みとなった。看護師仲間3人で第1回目のケアマネジャーの資格を取得し相談事業を始めた。2000年1月介護保険発足前に介護相談150人程を受けた。発足当初ケアマネジャーが足りず事業としての滑り出しは上々だった。前年に2級ヘルパー養成講座を開設し、年5コース250人の修了者を出すことができた。受講者は年々減少したが養成講座は10年ほど続けられた。介護職が優遇され期待された時期であり、当初から介護職のステータスを上げることの大切さを実感し、誇りをもって働ける職場に!と努力してきた。
“介護サービスを選択できる”このことに期待を寄せる市民は多くいた。ケアマネジャーをしていると社会の移ろいと共に市民の望みが変化していくことが良く判る。真に市民が求めることは何か?皆さん真剣に自身の老い方・家族のあり様を考えニーズを伝えてくれる人が増えていった。その想いを形にと事業展開の下敷きとして助成金の申請をあちこちに行い社会の動向を探ってから新規事業を開設してきた。

市民の想いをかたちに!

①相談事業を柱に、②我まま・気ままが言え自律を目指した通所介護(口腔ケア・運動器の活用)③次に在宅看取りを見据えた訪問看護・介護④住み慣れた我が家で最期の時までを見据えた小規模多機能サービスを整えた。⑤さらに住み慣れた地域で最期まで!を叶えるグループホームも開設した。このように、世間の方々の要望に応える形で“ゆうらいふ地域包括ケア”を整えていった。後から介護保険の改正で法的担保ができ助かった事も多くある。幸いな事にデンマークで学んだ利用者主体“利用者が選ぶ・利用者に選ばれる”を守山市で実践しよう!との活動はNPOの理念とも重なる。全職員が会員であり経営者であって欲しい。職員が働きやすい職場を❣と0歳児から利用できる保育所の開設ができ法人の底力となっている。

20年経過して実感していることは、医療・介護サービスは日々の生活と直結している。“市民(世間)が求めていることに真摯に向き合っていくと進むべき道は開けていく!”との思いは強く持てている。次の世代へ事業を引き継ごうとしている今、これからも同じ視点を忘れず市民が必要とするサービス提供を模索し続け、サービス内容に磨きをかけ質の向上に努め、求め続けられる事業継続を願う。

これから、NPO法人ゆうらいふが歩む道

世間から「五つ星」の評価を受けるサービス提供

「住み慣れた我が家で最期の時まで暮らしたい❣」を叶えるには?

これから、市民の方々はどのように人生の最終章を生ききろうとしているのか?
「住み慣れた我が家で最期の時まで暮らしたい!」誰もが思う願いである。
だが、実際に実現できるのか?と迷っている方が多くいるはずである。
最近、『在宅ひとり死のススメ』(上野千鶴子著)がよく読まれている。少子高齢化が進み、高齢者世帯・独居の方の増大は止まらない。自身の人生の最終章を自身で考える人が増え、「我が身の始末は自身で!」「子供達や親戚には頼れない!」と自律心のある方の声も耳にする。“本人が希望すれば安心して最期の時まで一人で暮らせる”をこのまちで叶えたい。2014年医療介護総合確保推進法が施行され医療介護の一体改革が進められ医師・看護師が地域で活動できる体制の基本ができた。在宅での終末期医療・介護の連携の推進が期待されている。法人では既存のサービスに加えて、介護・看護の定期巡回サービス・小規模多機能サービスを整え「住み慣れた我が家で最期の時まで❣」を叶える為のケアマネジメントが実践できている。“病院に看護師がいるように地域に看護師がいると安心”を基に医療職の役割を見える化し、介護の前線で奮闘している介護職・家族介護者の方々の縁の下の支えになってほしいとの願いが実を結び始めている。介護利用者のほとんどが病気を持っている。主治医・病院と速やかに連携できる体制が整っていると安心である。幸いに守山市には往診する医師も多く・総合病院も在宅支援に積極的である。是非『在宅ひとり死のススメ』を実践できる体制を整えてほしい。
現在は病院もネットで市民の評価がタイムリーに表示されるようになってきた。
今年度の総会で「五つ星」を目指そうとの理想を掲げている。ゆうらいふ地域包括ケア”の更なる進化と充実に努め、当法人もいつか「五つ星」が取れることを願っています。